ベトナム概要
 

 >> ベトナム概要
7.激増する外国直接投資
8.名目GDP
9.石油をはじめとした、
  豊かな天然資源

10.近隣諸国の経済規模
11.投資割合
12.財・サービスの小売販売額
13.貿易
14.外国直接投資(FDI)
15.財政
16.金融
17.国営企業改革
18.インフレ
19.ベトナム経済見通し


 >> 1.人口構成と人的資本

・2007年のベトナムの人口は8,520万人:対前年比1.3%増。
・2020年代前半に1億人を超えると予想されている。
・平均年齢が24−25歳と若く、毎年150万人が労働市場に参入している。(中国:33歳)
・成人識字率は94%は開発途上国では、高水準。(インド65%、中国85%)
・安価で良質な労働力。
・貧困率の縮小。(1993年度58%→2006年度16%)

今後10年以上にわたり人口が増えていく見通しで、それは、高度成長期の日本や10年前の中国のような状態といえる。
こういった状態からの高い経済成長はほぼ確実といえ、高い識字率にも現れているベトナム人の能力の高さがそれを更に後押しすると思われる。

ベトナム・人口推移






 >> 2. 高いGDP成長率
・2007年の実質GDP成長率は8.5%、1997年以降の成長率としては過去最高。
・農林水産業の成長率は3.4%(農業2.3%、林業1.1%、水産業11.9%)
・鉱工業・建設業は10.6%(鉱業2.0%、製造業12.8%、電気・水11.9%、建設12.0%)
サービス業は8.7%(販売8.7%、ホテル・レストランは12.7%、交通・運輸・通信10.4%、金融8.8%、
科学技術7.6%、不動産4.1%、行政8.2%、教育訓練8.7%、医療8.0%等)
・特に、最近では鉱工業、建設業の発展が目覚しく、GDPも、農林水産から工業へと進化している。

近隣諸国のGDP

近年のベトナム・GDP 産業割合






 >> 3.石油をはじめとした、豊かな天然資源
主な輸出は、原油、金、タングステン、コーヒー(世界2位)、米(世界2位)、胡椒(世界1位)、カシューナッツ(世界2位)、天然ゴム(世界4位)、海産物(世界5位)等。

東南アジアの中では数少ない石油の産油国で、鉱物等の天然資源も豊富である。
これまで原油を自国で精製することができなかったが、ズンクワットをはじめとする石油精製工場が各地で建設、稼動が予定され(2008年10月頃)、これらは今後の安定した発展に大きく寄与するものと思われる。
前述のよう、農林水産分野でのここ20年での発展は目覚しく、輸出も多い。
恵まれた天然資源があるゆえ、安定した国家経済の発展を見込める。







 >> 4.安定した政治体制と良い治安
大きな宗教問題や抗争がない。クーデターやテロなどもなく、政治は非常に安定している。
凶悪犯罪は非常に少なく、世界的にみても非常に治安がいい国といえる。国民性も温和。
近年、汚職撲滅にも力を入れている。非効率な国営プロジェクト等は中止され、政治体制の良化が進められている。





 >> 5.進む民営化
また、近年政府が力をいれている国営企業の民営化は、着実に進められており、株式市場の発展も政府が注力するところである。

ベトナム企業セクター





 >> 6.拡大する貿易
これまで、貿易収支は慢性的に赤字であるが、輸入の大きな割合を占めるのはインフラ整備のための機械や鉄鋼などであり、途上段階における発展的な輸入超過と考えられる。
ODA、外国直接投資、越僑からの送金などが大きく、金融収支は黒字であり、十分な外貨準備高であり、本年度もその額は増加する見込みである。

2000年以降の貿易額・収支
(100万米ドル)





 >> 7.激増する外国直接投資
2007年の投資額(新規及び追加投資、認可ベース)は203.3億ドル(1,824案件)、前年比69.2%
増となった。内、新規投資は1,445件、178.6億ドル(前年比115.3%増)、追加投資は379案件、
24.7億ドル(同15.1%減)となった。

ここ数年の外国直接投資の増加は激しく、急速にお金、人、モノが集まってきているといえる。株価、株式市場の発展、上昇を考えるとき、これは非常に重要な要素である。お金が集まる国、もしくは市場において、経済発展、株式市場の発展は加速するものである。

外国直接投資 (100万米ドル)





 >> 8.名目GDP





 >> 9.石油をはじめとした、豊かな天然資源
※ 原油、金、タングステン、コーヒー(世界2位)、米(世界2位)、胡椒(世界1位)、カシューナッツ (世界2位)、天然ゴム(世界4位)、海産物(世界5位)等

 






 >> 10.近隣諸国の経済規模





 >> 11.投資割合





 >> 12.財・サービスの小売販売額
2007年の財及びサービスの小売販売額:726.1兆ドン(対前年比23.3%増)
国営部門が占める割合は、10.9%(対前年比1.3%減)、集団部門(農協)は1.0%(同19.4%増)、家族経営部門は56.2%(同25.9%増)、民間部門は3.1%(同23.8%増)。




 >> 13.貿易
A : 貿易収支
※ 2007年における貿易収支は、近年最大規模の124.4億ドルの赤字。
  国内企業は186.6億ドルの赤字、外資系企業は62.2億ドルの黒字と、
  国内企業による輸入の増加及び外資系企業による輸出の増加が顕著。
B:輸出
※ 2007年度の輸出額は483.9億ドル、前年比21.9%増。 輸出額のうち、国内企業は
  205.6億ドル(全体の42.5%)、外資企業は278.3億ドル(同57.5%)と、2003年以降、
  外資企業のシェアが国内企業のシェアを上回っている。
C:輸入
※ 2007年度の輸入額は608.3億ドル、前年比35.5%増。
  国内企業は392.2億ドル(前年比38.1%増)、外資企業は216.1億ドル(同31.0%増)。

2000年以降の貿易額・収支 (100万米ドル)





 >> 14.外国直接投資(FDI)
2007年の投資額(新規及び追加投資、認可ベース)は203.3億ドル(1,824案件)、前年比69.2%増となった。内、新規投資は1,445件、178.6億ドル(前年比115.3%増)、追加投資は379案件、24.7億ドル(同15.1%減)となった。

外国直接投資 (100万米ドル)





 >> 15.財政
※ 2008年の予算には、財政収支32兆ドン(約2千億円)の赤字が計上され、
  歳入323兆ドン(約2兆円)、歳出364兆ドン(約2.3兆円)を予定している。
※ 2007年の財政収支実績は、19.2兆ドンの赤字と推計されている。
  ファイナンスは国内調達12.3兆ドン(ファイナンス額の64.1%)、海外調達6.9兆ドン
  (同35.9%)となっている。
※ 2007年の歳入実績は287.9兆ドン(約1.8兆円)と推計され、対前年比8.9%増、
  また2007年の予算を2.1%上回った。その内税収は253.2兆ドン(歳入総額の88%)
  と対前年比9.8兆ドン増加した。
※ 2007年の歳出実績は322兆ドン(約2.0兆円)と推計され、予算を0.3%上回った。
  そのうち開発投資支出は101.5兆ドン(対予算比102%)、経常支出は220.5兆ドン
  (同103.9%)といずれも予算を上回った。





 >> 16.金融
※ マネーサプライ:2007年末のM2は1,255兆ドン、対前年増加率36%と推計されている。
  M2におる外貨の割合は、2005年は23.0%、2006年は21.6%と減少しており、
  2007年末は18.2%と推計れている。
※ 信用動向:2006年の信用増加率は25.4%であったが、2007年末の信用残高は
  895兆ドン、対前年比30%増と推計されている。
※ 預金動向:2006年の預金増加率は36.5%であったが、2007年末時点の預金残高は
  993兆ドン、対前年比30%増と推計されている。
※ 資本市場:2007年のホーチミン及びハノイ証券取引所における株式の時価総額は
  約4,930兆ドン(約300億ドル)と、前年の倍以上に膨れ上がった。
  (内、約816兆ドンが国債、金融債、社債等の公債)





 >> 17.国営企業改革
※ 2001年に約5,600社あった国営企業はマスタープランに沿って改革が進められ、
  2007年末には約1,500社まで縮小した。2006年には420社、2007年には150社が
  株式会社化された。
※ 国営銀行の株式化:2007年12月に、ベトコムバンクが、国内商業銀行で初となるIPO
  を実施した。また、2008年以降はメコン住宅開発銀行(MHB)、ベトナム投資開発銀行
  (BIDV)、工商銀行(Incombank)、農業農村開発銀行(Agribank)が株式会社化される
  予定である。





 >> 18.インフレ
要因:
※ 国際商品価格の上昇に伴い、食品価格の上昇、ガソリン価格
  (原油価格上昇、燃料補助金の廃止)
※ FDI等による外資がベトナム市場へ流入により、供給過剰によるもの。
※ 2007年度のインフレ率は12.6%。2008年は前年同期比で+。。。。となり、
  インフレ傾向は継続。

混乱するインフレ抑制策:
 1) 与信残の伸びを支えた証券担保貸出しへの規制(総貸出残の3%)
 2) 預金準備率の引き上げ
 3) ベトナム中央銀行による、中央銀行債券のベトナム国内銀行41行への強制販売。
 4) 一部国内銀行は、債券購入の資金が不足⇒預金金利を引き上げ、資金調達を図る。
 5) 預金金利の上昇⇒株式市場より資金が流失⇒株価の急落⇒預金上限金利抑制18%






 >> 19.ベトナム経済見通し
2008年上半期、政府として一番の問題はインフレであった。
国内マクロ経済安定化、インフレの沈静を最優先することにより、銀行金利は上げられ、市場からベトナムドンを吸収。その副作用もあり、株式市場は暴落した。
ただ、6月から金融政策の効果が表れはじめ、株式市場は底をうったのではないかといわれている。

インフレ抑制のため、今年は成長率を多少抑えることになるだろうが、依然高い成長率、外国直接投資に表れるお金、人、モノ、の流入は続き、長期的な発展が見込まれることは間違いなさそうである。